利休蔵の酒造り

利休蔵が大切にしているのは杜氏の想い。
堺らしい地酒を追求し、
丹精を込めて造られた日本酒。

堺の地酒の復興に熱い想いを懸けた利休蔵の想い

堺の酒蔵の歴史は大正時代まで遡る。

当時、堺には蔵元が100軒以上あり、「酒どころ」と呼ばれるほど酒造りに活気があった。しかし戦火や都市化の影響でその活気も徐々に衰退し、昭和46年を最後に酒造りが終息してしまう。

そんな堺で、歴史ある酒造りを復活させようと熱い思いを持った地元有志たちが立ち上がり、東灘から移転する形で2014年に堺和泉酒造が設立された。

実に44年ぶりの地酒の復活である。

利休蔵が造る日本酒

千利休は落ち着いた香りと味わいが特徴。利休蔵の考える堺らしさとは「甘い酒」。

昔から堺の酒は甘いと言われてきたが、それは単なる甘さではなく、酒としての甘さを指している。酒を示す文字に「酉」の字があり、「酉」に「甘」を合わせた文字が「酣」(たけなわ)である。

「酣」は物事の勢いが盛んであることを意味し、この字にふさわしい甘い酒を追求している。

それを象徴するのが「八段仕込み」だ。通常、日本酒は三段仕込みが主流で、八段も行う所は極めて珍しい。この手法は理論的にも糖分が残りやすく、甘くなりやすいのだが、通常の倍以上の手間がかかる。

しかしその手間ひまを惜しまずに、堺らしい甘い酒を追求する姿勢こそ、我々利休蔵の酒造りに対する想いであり、信念の表れなのだ。

利休蔵の魅力

日本酒は、米と水に麹(こうじ)の力が加わることで生まれる。

利休蔵の特徴は小仕込み、手造りであり、たくさんの仕込み回数をこなすことで、先輩杜氏(とうじ)たちの知識と技術を受け継ぐと同時に、杜氏が経験と感覚でつかんできた「麹の働き」を大学の醸造学科と一緒に科学的に解析することで、麹やもろみのコントロール方法を把握し、若い世代に伝えて行く取り組みが行われている。